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虫歯はどうしてなるの?
お口の中のpH(ペーハー)が約5.5以下の酸性になった場合、歯が溶け出して虫歯を作ってしまいます。虫歯菌は糖分をエサにし、その糖分を酸に変えて出しているので歯を溶かし虫歯の原因を作ります。
猫は虫歯にならないの?
猫の歯や口の中には虫歯にならない為の秘密が2つあります。
秘密その1 唾液の成分
人の唾液のpHは約6,5といわれており、少し酸が強くなると歯が溶けてしまいます。しかし、ネコ唾液はpH約8.3とアルカリ性が強いため少しの酸でも、口腔内のpHが5,5以下になりにくいです。そのことから、歯が溶けにくく虫歯にならないのです。人では、糖分多いものを食べただけですぐに口腔内のpHが5.0と酸性よりになってしまい、歯を溶かしてしまいます。
秘密その2 歯の形
人間の歯はキレイに整列されており、奥歯には噛み合わせるためにくぼみができています。しかし猫は隙間が多く、奥歯の形も犬歯のように鋭くなっており、歯と歯の隙間に食べかすなどが挟まりにくく、また噛み合わせるくぼみがないため溜まりにくくなっています。そのため、虫歯の原因となるものがなりにくい構造といえます。人間では、奥歯のくぼみに食べカスが溜まり、それを虫歯菌が食べることで虫歯が進行していきます。
猫の歯の構造はハンターの証
野生の猫はネズミやスズメなどの獲物をとらえ食事します。猫は基本的に単独行動の為、一人で狩りをしなければなりません。そのため、獲物をとらえる時にするどい歯を、素早く首元や皮膚の柔らかい所に食い込ませて捕まえる必要があります。また、猫の犬歯の付け根には柔らかいものか固いものがを感じる事のできるセンサーがあり、このセンサーを使い獲物の急所を探し当てる事ができるのです。食べる時歯ではすりつぶせないので両手を使い、飲み込めそうな大きさまでちぎり丸呑みします。
猫の噛む力は犬よりも強い!?
実は猫の噛む力は犬よりも強いと言われています。まんまるとした顔からは想像がつきませんが、その可愛らしい頬は咬む時に使われる筋肉が発達して、膨らんでいるものなのです。猫の頬を「まん丸でかわいい~」と撫でているのは、脂肪ではなく筋肉なのです。
油断は禁物!他にも猫のお口の病気はたくさんある!
猫は虫歯にならないから、「お口の中のケアはしなくでいいんだ〜」とはいきません。虫歯にはなりにくいですが、歯茎に炎症が起こる「歯周病」「歯肉炎」にはなりやすいので、しっかりとケアをしてあげましょう。
猫の歯周病
【症状】
歯茎が赤くなる・歯茎から血が出る・口臭がきつくなる・食べるスピードがゆっくりになった
【治療】
歯の表面についた歯石を取る・フードを見直し、歯によいフードや唾液がよく出すために少し硬めのフードにしてみる・他の病気から歯周病の症状が出ていないか調べてもらう
【予防】
歯石を定期的に取ってもらう・柔らかいフードを常に食べさせない・歯磨きをする
猫の口内炎
【症状】
口臭がひどくなる・歯茎が赤くなる・歯茎から血が出てくる・口の周りを気にするようになる・よだれをたらす・食事を取らなくなる・口の中がただれててくる
【治療】
口の中を消毒液を使い洗浄する・炎症を抑える薬を飲む・免疫力を高めるための注射を打つ・レーザー治療により悪いものを除去する・歯を抜く
【予防】
硬めのエサをあたえ、唾液を出やすくする・歯石を定期的に取る・歯磨きをする・早期発見早期治療のために、毎日お口の中をチェックする
猫の歯根吸収
【症状】
よだれをたらす・口臭がきつくなる・歯茎は腫れ、赤くなる・歯の根元が赤くなっていく・歯が小さくなる
【治療】
初期のうちは歯磨きでも間に合いますが、進行していくと抜歯やレーザー治療を行います。
【予防】
原因がはっきりと分かっていないため、これと行った予防法がありません。
猫の歯磨きの方法
まずは、口を開き歯を見せてくれるまで慣らしてあげましょう。無理やり捕まえて口を開こうとすると、お互いに怪我をしてしまうことがあります。抵抗なく歯を見せてくれるようにしつけをしておきましょう。また、歯ブラシにも慣れて貰うために、歯ブラシの先にエサを付け「これは美味しいものなんだ!」と認識させましょう。
猫用歯ブラシを使った方法
普段わたしたちの使っている歯磨き粉ではなく、猫には猫用の歯磨き粉を使いましょう。人間用にはキシリトールが入っているものが多く、キシリトールは猫や犬に取って体によくないため使わないでください。歯ブラシを歯に当て、力を入れずに優しく磨いてあげましょう。
猫用歯磨きウェットシートやガーゼを使った方法
歯ブラシでの歯磨きが怖い、愛猫が嫌がってさせてくれない・・という方は、歯磨き用のウェットシートがあるので使ってみてはいかがでしょうか?
使用方法としては猫の唇を上げ歯が見えるようにし、指にウェットシートを巻き優しく歯をこすっていきます。
猫用歯磨きガムを使ってみる
おやつを食べる感覚で歯もキレイにしてくれます。与えすぎて肥満にならないように注意し、愛猫の体形を配慮しながらあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
猫は虫歯ができにくのですが、歯周病などお口の中にはたくさんの病気が潜んでいますので口腔内のケアは重要です。コミュニケーションを取る感覚で、歯磨きをするのも一つの手ですね♪