犬や猫のウィルスや細菌による感染症とその症状

飼い犬や飼い猫がケガや病気で弱っている姿を見るのは飼い主としてとてもつらいことです。
予防接種を受けることで感染症に罹るリスクを下げることができますが、ペットの生活環境によって、感染症の危険度もかわってきます。予防接種に関しては、かかりつけの獣医師に相談するのが一番ですが、どんな感染症があるのか、危険度や症状を調べてみました。

犬猫共通の感染症

狂犬病

狂犬病ウィルスが原因で発症する感染症です。
感染している犬、猫のほか、野生動物(海外ではタヌキやイタチアナグマ)に噛またり引っかかれると
人にも感染する恐れのある、危険な人獣共通感染症(Zoonosis)です。
現在、日本では飼い犬に対しては年1回狂犬病の予防注射を接種することが義務付けられています。国内では、1957年以降人間やペットの感染報告はなく、狂犬病の発生は確認されていません。だから安心というわけでもなく、海外から輸入される動物の中には狂犬病ウィルスに感染している可能性を全て取り除けていない状況です。狂犬病の予防接種を受ける割合は、現在飼い犬の7割程度だそうです。
飼い犬の命のためでもありますし、予防接種は法律で義務化されているので忘れずに受けたいですね。

犬ジステンパー・猫ジステンパー

犬ジステンパーウィルス感染症、伝染性胃腸炎とも呼ばれる感染症です。
少し元気がない、食べ残し、目やにや鼻水などの初期症状が見られたのち嘔吐や下痢の胃腸炎の症状がでることがあります。感染力も強く、感染している犬や猫の鼻水、唾液、目やに、尿や糞から接触感染や飛沫感染します。ジステンパーウィルスには特効薬がないので、抗生物質や点滴が主な治療法となっています。感染したら必ず発症するわけではなく、抵抗力の弱い生後間もない子犬や子猫、老犬老猫には注意が必要です。
犬猫ともに、コアワクチン(死亡率が高い・人獣共通感染症である)として定期的な予防接種が推奨されています。

 

犬パルボウイルス感染症・猫汎白血球減少症

パルボウイルス感染症は、前述のジステンパーウィルスと同様、感染力の強いウィルスです。
激しい嘔吐や下痢が続き、同時に脱水も進みます。パルボウィルスにも特効薬がありません、抗生物質や点滴で状態を緩和するケアを行います。ウィルスに感染したペットの看病後は、よく手や衣服を消毒しましょう。免疫力の弱い子犬を、日常生活で全ての感染症から守るためにはやはり予防接種が効果的です。
パルボウィルス感染症対策には、定期的な予防接種が推奨されています。

 

犬の感染症

犬伝染性肝炎

犬アデノウイルスへの感染で発症します。
生後1年未満の子犬が感染すると、命が危険にさらされるほどの重い症状になることもあります。発熱や腹痛、嘔吐、下痢の症状が出ることがあります。ウィルスそのものの生存力が強く、犬アデノウィルスと診断され自宅で看病をする際は、アルコールや石鹸での洗浄ではウィルスに効果が期待できません。塩素系消毒薬を使用することが最適とされています。飛沫感染、接触感染しますので、多頭飼いのお宅では感染してしまった個体は隔離して感染拡大を予防しましょう。
犬伝染性肝炎もコアワクチンとして、定期的な予防接種が推奨されています。

 

猫の感染症

猫ウィルス性鼻気管炎

ネコヘルペスウィルスへの感染で発症します。
くしゃみ・鼻水、食欲不振、目の充血などの症状が見られます。抗ウィルス薬の投与が主な治療法ですが、脱水症状など見られるときは点滴などで水分や栄養補給もします。共有のトイレや食器などから、飛沫感染、接触感染してしまいますので、多頭飼育のお宅で猫ウィルス性鼻気管支炎に罹った猫がいる場合は、部屋を隔離して感染拡大を防ぎましょう。
猫ウィルス性鼻気管炎年もコアワクチンとして、定期的な予防接種が推奨されています。

猫カリシウイルス感染症

ネコカリシウイルスが原因で発症します。
猫ウィルス性鼻気管炎と混合で感染することも多く、似た症状が出る感染症です。特に、口内炎や舌炎の症状が出ると、食事が摂れなくなり体力を消耗します。接触感染、空気感染で感染症が広がってしまうので、多頭で暮らす地域猫などは予防接種が欠かせません。猫カリシウイルス感染症も特効薬がないので、抗生物質を投与し点滴で栄養補給します。
猫カリシウイルス感染症もコアワクチンとして、定期的な予防接種が推奨されています。

 

猫免疫不全ウィルス感染症(FIV)

猫エイズとも呼ばれるこの感染症は、猫免疫不全ウィルスが原因で発症します。
キャリアの猫の血液や唾液にウィルスが含まれていますので、ケンカや交尾で感染してしまうというのはよく聞く話です。そのほか、母親の胎内で感染してキャリアになってしまう猫もいます。エイズと聞くと過剰に反応してしまいがちですが、猫免疫不全ウィルス感染症は人には感染しません。特効薬がないので治療は、そのときどきの症状に対しての対症となります。日本には、猫エイズを予防するためのワクチンがない状態です。
早急な対応が期待されますが、まずは完全室内飼いを徹底するなどして猫免疫不全ウィルス感染症にかからないことが大切です。

 

まとめ

犬や猫の感染症を、症状と治療、予防接種という観点でまとめてみました。
感染症はまだたくさんありますが、予防方法として定期的な予防接種の大切さを痛感しました。地域や飼育環境によっても、感染のリスクはさまざまです。住む地域の身近な獣医師や、保健所の相談窓口などを利用して、まず、感染症の予防につとめたいと思います。

 

むらいあや