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ドッグトレーナーってどんなお仕事?
念願の犬を家族に迎えたものの、思うようなしつけができずに困っている人々は多くいます。そういったときこそドッグトレーナーの出番! 犬によって問題行動はさまざまですが、まずは依頼主である家族の話を聞き、現状でしつけがどの段階までできているか。訓練が必要な要素はどこなのか?などの課題をプロの目線からリサーチし、トレーニング内容を決めていきます。また、ドッグトレーナーは常に対象になる犬と一緒に過ごせるわけではありません。家族に対してしつけに関するレクチャーをおこなう必要もあるので、“人と接する仕事”ということも忘れないでくださいね!
飼い主の代わりにおこなう主な家庭犬のしつけ
服従訓練
“服従”という言葉を聞くと、犬を頭ごなしに怒ってこちらの主張を押し付ける…というイメージを抱くかもしれません。けれど「おすわり」「伏せ」「待て」「おいで」などの命令に犬を従えるようにすることは、ペットとの絆を深める上でとても大切なことです。
トイレ訓練
犬を飼い始めたら、避けて通れないのがトイレトレーニング。決められた場所で排泄ができるようになれば、留守番時や外出先での心配がぐんと少なくなります。
問題行動の矯正
飼い犬の「無駄吠え」や「噛み付き癖」は、多くの人が頭を悩ませる問題行動のひとつ。マンションや集合住宅に暮らす家族にとっては、ご近所問題にも発展しかねません。その原因を探り、矯正するニーズは年々増えています。
仕事の形態
出張トレーニング
週に数回ほど飼い主の自宅に出張し、犬の訓練をおこないます。犬が普段生活をしている環境でトレーニングができるため、ごはんやトイレ、留守番などの場所を指導しやすいのが魅力です。
預かり訓練
訓練所や自らが働く施設で一定期間預かり、飼育をしながらしつけをおこないます。トレーナーが常に犬のそばにいることができるため、飼い犬のクセや性格を把握しやすくなります。
しつけ教室
飼い主と犬が一緒に参加できる教室やイベントを開催し、そこで飼い主参加型のトレーニングを実施。家族も一緒になって問題解決に取り組める分、それぞれの絆を深めることができます。
ドックトレーナーになるための資格は?
ドッグトレーナーになるための国家資格はありません。つまり、技術さえあれば誰もがドッグトレーナーという肩書きを持ち、活動することができます。けれど経験や知識を裏付ける証として、またお客様からの信頼を得るためにも民間資格は取得した方がいいでしょう。多くの求人にも民間ライセンスの所持の有無や、ドッグトレーナーに関する専門学校・大学・短大の卒業といった応募条件が挙げられているようです。大切な家族の訓練を任されるのですから、取得するなら認知度の高い資格の方がおすすめ。学校進学を目指すのであれば、ペットビジネスに関連した資格を複数取得できる学科もあるため、就職先の視野が広がるかもしれません。
民間資格の主な種類
「ジャパンケネルクラブ(JKC)」訓練準士補・訓練士補・訓練練士・訓練教士・訓練範士・訓練師範
通学またはオンラインでの受講を選択することができます。公認スクールのレッスンでは、欧米の体系的なドッグトレーナー技術をベースとするオリジナルカリキュラムをしっかりと学ぶことができます。
「日本ドッグトレーナー協会認定(JDTA)」ドッグトレーナーライセンス(D級・C級・B級・A級)
通学またはオンラインでの受講を選択することができます。公認スクールのレッスンでは、欧米の体系的なドッグトレーナー技術をベースとするオリジナルカリキュラムをしっかりと学ぶことができます。
「一般社団法人 日本ペット技能検定協会認定」家庭犬トレーナー(2級・1級)
ペット飼育人口の急増を背景に「ペット共生文化の担い手育成」が急務とされた平成8年にペット技能の検定団体として発足。協会認定校にて指定カリキュラムを修了するとライセンスが交付されます。
「日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)」CPDT
受験者は300時間以上のドッグトレーニング経験がある事と「獣医師・お客様・他のドッグトレーナー」からの推薦状を提出しなければ試験を受けられません(変更になる場合あり)。試験は4時間250問というマークシート式。合格者は、名前の後に世界基準のドッグトレーナー資格「CPDT」という称号を付けることができます。
就職先はどんなところがあるの?
ドッグトレーナーには以下の職場が考えられます。
- ドッグトレーニングのサービスを提供するペット会社
- ペットホテル・保育園
- ペットショップ
- ドッグランスタッフ
- トリミングサロン
- 老犬ホーム
- 動物病院フリーランスとして独立開業
ドッグトレーナーの給料と年収入
給料(月収)では約18~25万円程度、年収では約300~400万円程度というのが標準的です。また、地域や経営者の方針によっては給料が約12~16万円程度、年収が約200~250万円程度というところもあるようです。訓練所での修行となると、手取り月給が5〜6万円というケースも…。
まとめ
ドッグトレーナーのニーズは近年高まりを見せているといえますが、国家資格は現時点でなく、求人数もそこまで多くはありません。見習い時期を乗り越えなくてはならないケースもあります。今後の需要は期待できる職業ですが、成功するには強い意志と継続的な努力が必要になりますね。けれどドッグトレーナーという仕事には、家族の絆さえも深める可能性が秘められています。人の役に立つ、やりがいの大きな仕事といえるでしょう。