犬の起源はオオカミ起源説だけじゃない!?

「オオカミは犬の祖先」と言うことは有名な話ですよね。実は、犬の起源には様々な説があり、オオカミだけではなかったのです。また、今のイヌになるまでには4,000万年という長い年月がかかっており、その過程や進化の風景・オオカミとの関係などの犬の起源について紹介していきます。

ペットとされている「家イヌ」

私達が普段ペットとして飼っている犬は、動物分類学上【食肉目・イヌ科・イヌ属・タイリクオオカミ亜種の哺乳類「家イヌ」】という分類に入っています。食肉目の祖先は、約6,500万年から4,800万年前に生息していた「ミアキス」という動物であると言われています。では、詳しくみていきましょう。

進化の過程

犬の進化の過程は、ミアキス(4,800万年以上前)→ヘスペロキオン(3,500万年前)→キノデクテス(3,000万年前)→キノデスムス(2,500万年前)→トマークタス(1,000万年前)とされています。イヌ属の直接な祖先はトマークタスであるといわれており、野生イヌの形態を認めることができます。トマークタスから「イヌ科・イタチ科・クマ科・ハイエナ科・ネコ科」に別れており、イヌ科からまた「イヌ属・リカオン属・ヤブイヌ属・キツネ属・タヌキ属」と別れているのです。イヌ属の中にも「コヨーテ種・ジャッカル種・タイリクオオカミ種」があり、「イヌ」はその中の「タイリクオオカミ種」の分類に入ります。

祖先の生体

・ミアキスの生体
体長約30cm・頭骨長6〜9cmで細く長い胴体、長い尻尾、短い脚をしています。イタチによく似た姿をしていると推測されています。後肢が前肢より長く、骨盤はイヌに近い形状をしていたとされています。
・ヘスペロキオンの生体
体長1m程。体幹は長く細い。前後の脚には5本の趾を持っていました。
・キノディクティスの生体
体高は30cm・平ぺったい身体をしています。
・キノディスムス
ハイエナぐらいの大きさで、形態はどちらかと言うとネコに近かったといわれています。
・トマークタス
多くのイヌの祖先とされており、大きさも見た目もイヌに似ています。

オオカミ起源説

今では一般的には「オオカミ起源説」が有名で、多くの人がご存じだと思います。昔はたくさんの仮説かたてられてきました。しかし、DNA分析により「家イヌは約1,500万年前に東アジアで家畜化されていたオオカミが起源だ」という説が強り、狼は犬の先祖と言われる様になりました。

イヌとオオカミの関係

ミトコンドリアDNAの塩基対の配列(*1)によって比較した研究により、イヌとオオカミは最も近縁であることが立証されました。(1993年)全てのイヌは、約1,500年前に東アジアで家畜化されたオオカミを祖先とし、人の移動とともに世界中に広がっていったと考えられています。オオカミがイヌに進化してく過程として、実はオオカミの外見に似ているイヌほど遠縁だったりするのです。ジャーマン・シェパードなどオオカミのような風ぼうですが、DNA上としては遠く、チャウチャウのようなオオカミらしさのないイヌがDNA上近いとされています。この調査により、約5,000年前のエジプトで飼育されているイビザン・ハウンドやファラオ・ハウンドは過去数百年の間に登場した新種であると発表されました。

(*1)ミトコンドリアDNAの塩基対の配列
 細胞小器官であるミトコンドリア内にあるDNAのことを指します。その中の塩基配列をみることによって血が混ざっているか確認することが出来ます。

オオカミを家畜化

人間がオオカミを家畜化し、人間の都合の良いオオカミを集めることによってイヌという動物が生まれたと言われています。イヌ属にはオオカミの他にコヨーテとジャッカルが含まれており、これらの動物は人為的に繁殖している可能性があります。ですので、オオカミの起源説以外にも、ジャッカル起源説・ジャッカルとオオカミの多元説・原始的なイヌの祖先説などが提唱さてれきました。

オオカミの起源説

オオカミとイヌの共通点
・骨格の共通性
・歯の数
・指の数
・目の瞳孔収縮の形態
・集団行動をする
・繁殖力のある雑種が生まれる
・妊娠時期が同じ
・体温調節の方法
・鳴き声
というように、共通点がたくさんあります。このことから、「オオカミ起源説」が一番強いのではないかと言われています。

オオカミの起源説の他にもあった?!

ジャッカル起源説

キイロジャッカルが起源ではないか?という単元説がありました。しかし、頭蓋骨の特徴がイヌとは異なっていたため、違うのではないか。疑問がうまれジャッカル起源説は薄れてきました。

ジャッカルとオオカミの多元説

ダーウィン、ローレンツなどの多くの学者は形態的にはオオカミであり、血液学的にはジャッカルに注目し、ジャッカルとオオカミの多元発生説がありました。

原始的なイヌの祖先説

パリア犬・ディゴンなどの原始的な野生のイヌが起源だとする説です。イヌはイヌ属の共通の祖先から発生し、後にオオカミやジャッカルの混合があったとされています。

まとめ

イヌの祖先と言ったら「オオカミ」という認識が広まりつつあるなか、オオカミになるまでにもたくさんの進化がありました。今生きているイヌには、4,000万年もの血が受け継がれていると思うと、普段見ているペットも偉大に見えてきますよね。まだ、様々学説がでてきておりたくさんの可能性が考えられています。

ミカ
小動物看護師の資格取得を目指し中!山育ちのため動物や自然が大好きです。ペットは「猫・犬・鶏・ハリネズミ・うさぎ・亀・メダカ」を飼ったことがあります。おでかけ・カフェ巡りや甘いスイーツが大好物です♪