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最愛のペットを失って、悲しみの日々を送ってる親しい人に何か励ましの言葉をかけたい、という人は多いでしょう。よかれと思っておこした行動やかけた言葉が、相手を傷つけてしまうということもあります。自分が愛犬家であっても、またペットロス経験者であっても。
100匹のペットの死には、100通りの物語がある
人とペットの数だけ、ペットロスのつらい思いあります。そして、その人の生きてきた背景、人生観や価値観によって、ペットの死の受けとめ方もひとつひとつ違います。だから、今まさにペットロスになっている人の本当のところはよくわからないし、うかがい知ることはできません。
ペットロスへの理解
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それでも、理解をしようという気持ちは嬉しいものです。ペットを失った飼い主は、素直に自分の心を開くことができればどんなにいいかと思っていても、この悲しみを理解してくれそうな人が周りにいない限り、口を開かないのが特徴です。
たかが動物くらい、なんて無理解にも程がある人は減ってきましたが、ペットロスという言葉を聞いたことはあるけど実際どんなことがおこるのかを知らない人は、まず先にこちらのリンクを読んでみてください。
ペットロスとは?回復、軽減、予防するために知っておきたいペットロス対処法
動物をペットとして飼っている人は、「ペットロス」という言葉を聞いたり見たりしたことがあるかと思います。実は、「自分はペットロスになりそう」と常に考えている人の方がペットロスになりにくいのだそう。心の準備もなく突然死んでしまった場合や、わたしは大丈夫とくくっていた人が予告もなく頭をなぐられたような悲しみにたえきれないことの方が多いのです。
ペットロスになっている人への接し方
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それでも、理解をしてあげたい、支えてあげたいですよね。
まず、落ち込んでいる人の心理状態がどうなのか、ペットロス症候群の状態とはいったい何なのか、理解してからとにかく話す側から聞く側へ、「聞き上手」に徹することが大事です。
- 基本姿勢は「聞き上手」悲しい気持ちを話すようにすすめる
- ゆっくりと悲しみの時間をもつようにすすめる
- ペットの死について率直に話したり、質問する
- 共感し、気持ちを表現する
「あなたの気持ちは想像することしかできないけれど、もし、話せるなら聞かせてもらえるかな?」と一言かけ、話すキッカケをつくり、とにかく聞き上手にすることができれば、相手は話すことで心が休まるかもしれません。
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そしてペットロスを克服するまでのステップでも紹介しましたが、亡くなったペットを思い、涙を流すことはペットロスの回復のために大切なプロセスです。ゆっくりと悲しみに浸ればよいことを伝え、亡くなったペットと一緒にいるという気持ちになれるよう、お骨、遺灰、写真などを身近に置くことをすすめるのもひとつの方法です。
話しだしたら、「そうか、それで、どうだったの?」といった質問をしたり、「大変でしたね、辛いですね、悲しいですね、寂しいですね」といった共感の気持ちを表現してあげましょう。このとき、こちらの意見を述べたり、解決のためのアドバイスをしがちなので気をつけてくださいね。
なにも言わないであげるという選択肢
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たまに会う程度の間柄で、ペットが亡くなったことを知り、なにか励ましの言葉を送ってあげたい。けれどどんな言葉を贈ったらいいのか、と微妙な間がらで悩んでいる人もいるかもしれませんね。この場合、どうしたらいいでしょうか。
できれば、本人から打ち明けてこない限りは、なにも言わずに、そっとしておいてあげましょう。(SNSやブログで何度も触れているようでしたら、お悔やみを言う程度はよいかもしれません。)
ペットロスになった人に言ってはいけない禁句10選
かける言葉で気をつけた方がよい事例をいくつがご紹介します。正常な状態であれば問題ないような言葉でも、ペットロスの渦中にいる人は、何気ない言葉でも心を痛めやすく、それぞれで感じ方は違うということを忘れないでください。
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case1:お気持ちはよくわかります。
愛するペットを亡くした経験のある人の多くが、ついつい言ってしまいそうなお決まりの文句。自分の過去の体験と重ねて、同じような闘病生活だったとか、老犬・老猫介護を経験したこともあり、目の前でペットロスになっており人も同じなのだろうと得意げに「お気持ちはよくわかります。私もペットロスになったときに・・・・」と話しがちです。
ペットを失ったという、一見同じような体験をしていると、親近感を覚えるのかもしれません。
しかし、聞き手にまわらなければならない人が、今まさにペットロスの渦中にいる飼い主をさておいて自分の体験談ばかり話すのはちょっと待って下さい。
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case2:ペットが死んだくらいで、会社(学校)を休むの?
最近では、ペットが死んだら忌引で休んでも良いという会社も出てきていますが、まだまだ「親ならわかるけど、動物の死くらいで…」と言う人も少なくありません。
また、自分も犬を飼っているけれど、大切なかペットだからといって、忌引き休暇など理解できない!なんて怒る人もいますが、ペットの死の受けとめかた、立ち直るまでにかかる期間は人それぞれです。
case3:◯◯ちゃんは、長生きしたんだから…
ペットも人間と同じように高齢化がすすみ、平均年齢も上がりました。数年前だと10歳を超えるペットは数えるほどだったために、10歳を超えて死んだペットの飼い主さんにかけてしまいがちな言葉です。ペットロスの原因にもありますが、長く過ごせば過ごすほど、そしてそばに付きっきりで一生懸命介護していたペットが亡くなるのはつらいものです。あと1年でも、数ヶ月でも一緒にいたかった…そう思う飼い主さんからすると、残酷な言葉かもしれません。
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なぜペットロスになるの?原因は高齢化や少子化などによるペットの役割の変化かも
「ペットロス」という言葉を聞いたり見たりしたことがあるかと思います。でも、なぜペットロスになるのでしょうか?社会背景とペットロスは一見関係ないようにも思えますが、実は大きく起因しています。
case4:泣いてばかりいたら、亡くなった子が悲しむよ
はい、そんなことわかっています。わかっていても、涙が止まらない、やる気が出ないのです。自分が1番、こんなんじゃダメだ!と思っているのです。ですが、この時期はしっかりと泣いて、自分の心に素直になることが、ペットロスを乗り越えるために大切なプロセス。いっぱい泣いていいんだということを伝えてあげてください。
ペットロスの回復、乗り越えるために大切なプロセス
ペットロスを軽減、早めに回復するためには、悲しみの気持ちを素直に表現することが大切です。
case5:もっと◯◯していれば…。あのときの○○がいけなかったのかもね。(相手の失敗を責める)
ペットロスに陥ってる相手の傷に塩を塗り込むような言葉ですので注意して。とくに病気や老衰、不慮の事故でペットを亡くした飼い主は、もっと早く家に帰っていれば、セカンドオピニオンをうけていれば、あの薬がよくなかったのでは…私がいけなかったのかもしれない、という言葉を自分の中でくりかえしています。
case6:次のペット(新しい犬・新しい猫)を飼ったらいいよ
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亡くなったその子は、飼い主にとってこの世で唯一の存在です。人におきかえたときに、たとえばお子さんが亡くなったお母さんに対して「また産めばいいですよ」なんで言いませんよね。ペットだって、誰もその子の代わりはいないのです。
飼い主さん本人の心に耳を傾けて
上記であげたことも、何万通りもある物語の一握りです。たとえば妻を思う旦那さん、父親を思う娘さん、彼氏を思う彼女さん、それぞれの関係の中で、正解も不正解もあるでしょう。心配してペットロスの克服をと回復をせかすあまり、あなたが答えを出そうとしてしまうこともあります。亡くなったペットの飼い主さん本人がどう思っているのか、聞き役に徹することを大切にしてくださいね。