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犬のレプトスピラ症状とは?
レプトスピラ症は英語でLeptospirosisといい、病原性レプトスピラの感染による人獣共通感染症です。その症状は血清型によって軽度のものから重度のものまで(ワイル病)幅広い症状がみうけられます。
潜伏期間は、5~14日間で、犬のレプトスピラ症状では「不顕性型(ふけんせいがた)」「出血型」「黄疸型(おうたんがた)」の3つに区別されます。
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不顕性型
ほとんどの場合は不顕性型で症状が出ず、いつのまにか自然治癒しています。しかし、回復した犬は一定の期間にわたり、尿中に病原菌を排泄し、ほかの犬や人の感染源となります。
出血型
1~2日間熱がでたあと解熱したあと、口や目の粘膜が充血し、嘔吐したり下痢をして脱水症状をおこします。
進行が早く、腎障害(じんしょうがい)を起こすこともあり、多くは発症後 36 時間〜4日で死亡するなど、高い死亡率を示します。
- 食欲不振(ごはんを食べない)
- 発熱
- 口や目の粘膜が充血する
- おう吐
- 下痢
- おしっこが少なくなる
- 脱水症状
黄疸型(おうたんがた)
出血型と似た症状が見られますが、肝臓障害を起こして粘膜や皮膚が黄色くなる黄疸がおこり、血色素尿症(血尿)もみられることが特徴です。突然高熱が出て、嘔吐し衰弱します。こちらも高い死亡率を示します。
- 高熱が出る
- 嘔吐
- 皮膚や粘膜、全身が黄色くなる黄疸
- 口腔粘膜の点状出血(口の中に出血がてんてんと出る)
- 血便血尿
レプトスピラ感染症の検査方法は?
血液検査や尿検査を行い、血液や尿から原因菌の分離培養や、血清中の抗体を凝集反応法と呼ばれる検査で、検出を行い診断の確定がなされます。
レプトスピラ感染症の病原体
レプトスピラの病原体は、らせん状をしたスピロヘータ目のレプトスピラという細菌で250以上の血清型があります。この菌には病原性のあるものとないものとがあり、血清型により、季節性のあるもの、地域性のあるもの、重症化するものなど多彩です。
病原性レプトスピラ保菌動物と感染原因
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レプトスピラ感染症の原因は、レプトスピラという細菌に感染した犬の尿によって汚染された土や水、食べ物が口にふれることで感染することが多く、傷口から感染することもあります。このレプトスピラは、げっ歯類(ネズミ類)などの野生動物を自然宿主として菌が広まることが多く、人、犬、牛、豚などほとんどの哺乳類にも感染します。ペットとしては、犬や猫だけでなく、ハムスターの糞尿にも注意しましょう。
治癒方法
抗生物質を投与するほか、腎臓や肝臓障害の治療をおこないます。症状が改善した症例でも、慢性間質性腎炎(まんせいかんしつせいじんえん)、慢性進行性肝炎(まんせいしんこうせいかんえん)、肝不全を引き起こす場合もあります。
レプトスピラ感染症の予防方法
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レプトスピラ感染症はワクチンで予防することができますが、血清型によりワクチンがないものもあり、完全ではありません。
そこで、レプトスピラに汚染されていそうな不潔な土壌、川に入らないことが大切です。湿度の高い環境で発生しやすいため、衛生面に配慮しましょう。この菌は人間にも感染するおそれがあるため、感染した犬の看護の後は手洗いうがいと、じゅうぶん消毒をしてください。
レプトスピラのワクチンを追加接種するべき?
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また、レプトスピラのワクチンの効果は2ヶ月〜半年ともされていたりするため、一般的には年に1度のワクチン接種である5種混合や7種混合、8種混合などのうちの1つに含まれていることが多いこともあり、レプトスピラだけ追加接種するということはあまりありません。
犬のワクチン接種に関しては、毎年受けるよううながす獣医さんがいる一方で、毎年の過剰なワクチンが病気を引き起こすという考えの獣医さんもいたり、動物病院の獣医さんでも考え方がそれぞれ違いますし、ネットの意見も様々です。ワクチンには副作用もありますから、飼い主さんがご納得されるまで、色々な獣医さんに聞くのも良いかもしれませんね。
犬のレプトスピラ感染症の発生状況
イヌでの発生状況は、2004年以降減少していますが、その後も毎年30件前後の発生報告があります。ですが、この数字は家畜伝染病予防法により届け出が行われた数字で、診断に至らなかった例や届け出られなかった例は含まれないため、実際の発生はもっと多いものと推測されます。地方別では、関東以西での発生が主となっているようです。(※1)
人間にもうつるけど、大丈夫なの?
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レプトスピラは前述にもありますが、人獣共通伝染病(じんじゅうきょうつうかんせんびょう)の細菌で、人や犬以外にも多くの哺乳類に感染します。1970年代前半までは年間50名〜250名の死亡例が報告されていましたが、近年では衛生環境の向上などにより患者数(死亡者数)は著しく減少傾向にあります。(※2)
また、感染機会は主に汚染された河川での遊泳、レジャー活動、農作業、土木作業などであり、犬が感染源になることは稀です。
ほかの人獣共通感染症については次の記事をご確認ください。
犬から人に感染する病気「人獣共通感染症」とはどんな病気!?その予防とは・・・
知らない人が多いですが、実は犬から人にうつってしまう感染症があります。それは誰にでも感染する可能性があるのです・・・。しっかりと知識をつけ、予防することで防ぐことができます。
人間が感染した場合の症状は?
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犬が感染した場合と、人が感染した場合では多少症状に違いがあります。潜伏期間は3日から14日程度で、悪寒、発熱、頭痛、全身の倦怠感、眼球結膜の充血、筋肉痛、腰痛など、急性熱性疾患の症状を示すとされています。軽症型の場合は風邪と似た症状でやがて回復しますが、ワイル病の別名でも呼ばれる重症型では、5〜8日後から黄疸、出血、肝臓障害、腎臓障害などの症状が見られ、エボラ出血熱と同レベルの全身出血をともなったり、播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん)を引き起こす場合もあります。重症型の死亡率は5〜50%とされます。また、初期の把握痛や結膜充血及び進行して発現するとされる黄疸、点状出血、肝脾腫など特徴的な症状を示さない場合もあります。(※3)
まとめ
犬が急に食欲がなくなった、餌を食べない、というときはほかの症状がないかをよく観察しましょう。熱が出たり、黄疸が出ている、下痢やおう吐を伴うなどの症状が出たときに疑う病気「レプトスピラ感染症」。高い死亡率を示すこの病気に、思い当たるフシがある場合は、大至急病院へ連れていってくださいね。
犬から人に感染する病気「人獣共通感染症」とはどんな病気!?種類と症状、原因、予防方法をご紹介します。
知らない人が多いですが、実は犬から人にうつってしまう感染症があります。なかには高い死亡率をしめすものも。犬や人間だけでなく、哺乳類すべてに感染する可能性のある感染症もあります。その症状や原因と感染経路、予防方法など知識をつけ、未然に防ぐ方法をご紹介します。
※1…大阪府獣医師会
http://www.osakafuju.or.jp/pro/data/doc/doc_saigai120718.pdf
※2…引用元:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/531-leptospirosis.html
※3…wikipedia
https://goo.gl/t8ieCR
※感染症について詳しくは「国立感染症研究所」をご確認ください。
http://www.nih.go.jp/niid/