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猫アレルギーの治し方・治療方法はあるの?

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猫アレルギーの治し方・治療方法はあるの?

そもそも猫アレルギーとは?

猫アレルギーは英語で「cat allergy」といい、そのまま猫や猫の体毛に反応するような気がしますが、実は反応しているのは猫のフケ・唾液、もしくは猫に住みつくダニのしわざです。皮膚中に存在するタンパク質および唾液が、毛づくろいすることで毛などにまとわりつき、これが皮膚と接触することで過剰な反応を示します。

猫アレルギーかな?と思ったら、次の症状チェックリストで確認してみましょう。

猫アレルギーが「治る」ことはない

猫アレルギーは治らないのか

pixabay

薬で「症状を緩和する」ことで治ったように感じることや、猫アレルギーがが軽くなったと感じることはあるかもしれません。ですが、結論からいうと、猫アレルギーが完治するという意味で「治る」という方法は今のところありません。

また、今は皮膚症状だけだが、今後気道の症状や、呼吸困難や喘息などが起きるかどうかは、その方の体質によるため前もって予測することはできません。症状が悪化するかどうかは、確率の問題です。

猫アレルギーかどうかの血液検査・皮膚検査、アレルギーレベルを調べる場合の詳細と費用は次の記事で確認できます。

薬で猫アレルギーは治る・予防ができるのか

薬で猫アレルギーは治る?

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たとえば自宅では飼っていないが、実家や友だちの家に行くために症状を和らげるためや、予防のため、と抗ヒスタミン薬などを処方されるシーンもよくあります。抗ヒスタミン薬は妊婦さんにも使う場合もあるため、子どもが飲んでも安全な薬ではありますが、猫アレルギーが治る魔法の薬ではありません。薬を飲んで症状が軽くなったために、治ったと感じる人もいるかもしれませんが、薬は症状を抑えるだけで、体にはアレルギーの原因物質が入ってしまいます。そうすると体が刺激されて、だんだんひどくなる恐れがあります。

特定遺伝子を持った人は猫アレルギーが消えていくという論文

猫アレルギーであっても、ある遺伝子を持った方たちはネコアレルギーが消えてゆくという論文が数年前にアメリカで発表されましたが、これを支持するデータはまだありません。だんだんペットアレルギーは消えてきたという話はインターネット上でよく見かけますが、医学的データはまだありません。

猫アレルギーの減感作療法

減感作療法とは「げんかんさりょうほう」と読み、免疫療法の一つです。症状を起こさないくらいの微量のエキスを週1〜2回ほど、数ヶ月〜1年通して定期的皮下注射し、遮断抗体(アレルギーをブロックする抗体)を体の中から誘導します。花粉症に対する数多くの臨床データが発表され、有効性が確立しました。

ただし、猫、犬、フェレット、モルモット、マウスなど、動物に対する減感作療法は行われていません。それようの注射液もありません。その理由の一つは猫やハムスターなどのアレルゲンを注射するとショック状態になる可能性があるからと思われます。

猫アレルギーで入院、死亡する危険性も

猫アレルギーでの死亡例

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日本では、猫アレルギーは「掃除すれば大丈夫」「部屋をわければ大丈夫」などと軽視されがちですが、死んでしまう可能性があるということを知っておきましょう。猫アレルギーによる重篤なアナフィラキシーショックによる入院も珍しいことではなく、呼吸器系に問題が生じたり、呼吸困難に陥ればたいへん危険で、死につながることも。(アメリカ全土での猫アレルギーによる死亡例は、年間50例と推定されており、人口比率からいくと日本では年間10例と推定されます。)

アレルギーと上手に付き合っていくために、リスクに対する正しい知識を

猫アレルギーで「死亡」というと少し過激すぎると感じる人もいるかもしれません。けれど、大好きな猫と一緒に暮らすためには、リスクを知って対処をする心の準備をしておく必要があるでしょう。少数ではありますが、死んでしまう可能性があるということを知り、猫アレルギーと付き合っていきましょうね。

猫との接触を避けたほうがよい症状の目安は?

猫アレルギーだが猫に触りたい

otarako

では、どの程度の症状であれば大好きな猫と接触してもよいのでしょうか。

目がかゆい、鼻がムズムズ…鼻水が出る、目や体がかゆい、湿疹が出るといった程度であれば掃除などの対処法で症状が軽減する場合がありますが、咳やゼイゼイが出るようになったら危険信号です。反応が体の表面ではなく、咳、喘息発作が出るようであれば、気管や肺などの、内臓器で猫アレルギーの反応が起きているので、それ以上の接触は危険と言えます。

また、もし猫アレルギーで呼吸困難の疑いがある場合は、ただちに病院にかかりましょう。

猫アレルギーの治療方法

アレルギー治療のまず第一歩は、原因物質が猫アレルギーとはっきりした場合、猫を極力身辺から遠ざけなければなりません。原因がはっきりしているにもかかわらず、猫との接触を続けていくと、一般的にはだんだん症状がひどくなる場合が多いのです。

とはいっても「どうしても猫と一緒に住みたい!」「既に猫を飼っていて、手放すことができない」という人もいるでしょう。そういった場合は、医師に相談しながら、猫アレルギーとどう付き合っていくのか、ご家族も含めてよく考えてみてはいかがでしょうか。

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nobushino
大分県大分市在住、東京都渋谷区恵比寿、福岡市中央区の多拠点生活をしている。ペットのおでかけコンシェルジュとして、主に大分福岡の九州エリア・関東エリアを、チワワのあんこちゃんとおでかけしている。ペット可のカフェ巡りをしすぎて体重が気になるところ…。